「国語(文字の習得)」〜2年間の学びの積み重ねとスモールステップでの段階的変容(低学年)〜④
今回は、低学年の国語では大きなウェイトを占める、文字の習得の学習について、書いてみます。
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1 1年間のプログラムデザイン
2 リフレクション
3 実践の実際
①登校時〜朝休み ②朝の会
③国語(文字の習得:ひらがな・カタカナ・漢字(⇦イマココ)
④国語・算数の教科書授業 ⑤生活科でのスキル習得〜探求学習
⑥体育・音楽・図工ワークショップ ⑦日常的生活 ⑧自立学習 ⑨作家の時間
4 まとめ!(成果と課題)
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③国語(文字の習得:ひらがな・カタカナ・漢字)
1年生では、ひらがな・カタカナ・漢字と、た〜くさんの文字を習得します。
文字の習得が国語のメインではないかと思うほどです。
1年生だけではなく、文字(漢字)の習得には、どれだけ時間をかけるべきか、どれだけ手をかけるべきか、習得率が悪い・・・様々な話を聞きます。
面白いのは、これまで職場内で指導してくれたベテランの先生は、
「がっちり手をかけ、文字を上手に書けるようにし、習得率を高くする。つまり、手をかけるほど伸びるから、しっかり指導するべし!」
という感じだったのに対し、校外のプライベートの学びの場で出会う先生たちは、
「直しなどにそんなに手をかけない、それよりも、やる気が出てたくさん覚えようとする方を重視する」
という感じが多い気がします。
ただし、両方とも、声をあげて話してくれる人は少数なので、
他の口をつぐんでいる多数の方々は、どうだかわかりません!
いろいろだと思います・・・・。
皆さんはどうですか??
私はそんなこんなで、これまで、両方やってきました。
そして、両方のいいとこ取りをして、今は自分なりのやり方ができるようになりました。
ちなみに、あまり学力的に高いクラスではないのですが、漢字の習得状況は良い方だと思います。
そんなわけで、実際にこの2年間でどのように進めてきたかを、書いてみます。
☆1年1学期(ひらがな)
ひらがな練習プリントを進めるだけで結構手一杯!な分量。
ここで、文字の学習についてガッチリやり方を身につけてもらうよう、
毎回しっかりパターンをはっきりさせて繰り返し指導。
文字の形、気をつけるポイントを細かく指導。
マス目の四つのお部屋、一画一画の位置、長さ、曲がりや折れの様子、止め、はね、はらい、そり、などなど・・・結構細かく、丁寧にポイント指導。
その後、書き順を空書き、指が気、なぞり書き、でしっかり覚えるまで練習。
そして、ゆっくり、丁寧に書く。これを50音分みっちり、指導しました。
プラスこの時期、筆箱やノート、教科書の置き場所や、
筆箱の蓋はいつも閉じておく、とか、書き終わったら、鉛筆をしまう、とか、
そういう細かいことも根気よく指導しました。
「うわー、ガッチリやってる〜」「一年生なんだから、当たり前!」
色々聞こえてきそうです。
私的には、これは大きな作戦の大事な一部分。
今後の自立学習につなげるために他なりません!
2学期からは手放したかったので、1学期かなりがんばりました。(私にしては。)
国語の文字の習得だけでなく、他教科も、日常生活の指導も、
1学期はしっかり教える時期!と自分の中では決めていました。
(プログラムデザインで)
☆1年2学期(カタカナ・漢字)
段階的に手放していきました。
<第1段階>
①1学期にやってきた、文字の学習の仕方をみんなで振り返り、大きな紙に手順をまとめる
②その手順の紙を見ながら、みんなで一緒にやっていく
<第2段階>
それまで、文字の形や気をつけるポイントについては、みんなで気づいたところを出し合ったり、こちらから教えるという風にやっていたのを、子どもたちが自分で見つけて、書き込むように。
<第3段階>
手順の紙を見ながら、手順に従って、一人で取り組む
☆1年3学期(カタカナ・漢字)
上記の<第3段階>に同じ
☆2年1学期(漢字)
漢字スキル(ドリル)の自由進度学習スタート。
早々に1冊終える子も出てきました。
そういう子は、割とページを進めるためだけにやっていたりもして、
ちゃんと覚えていないことも多いので、毎日の宿題では漢字を復習できるプリントを出してフォローしていました。
ポイントを子どもたちが自分で見つけてはいますが、共通してミスしている部分が時々見られましたので、それはその都度一斉で確認しました。
ひらがなのくせ字というのが厄介で、「か」「わ」「れ」など、就学前に親から?教わって書いていたくせ字は、いくら言っても直せない子がいます・・・。やはり、はじめに覚える時の指導は大事だなと思います。
子どもたちに学び方は委ねていきますが、大事なところは子どもたちのその時々の学習の状況に応じて教えていくことが大事です。
そのためにも、一人ひとりの学びの状況を把握することがとても大切だなと感じます。
教育用語でいう、「みとり」です。
子どもたちに様々なことを委ねていくにつれて、その一人ひとりの状況把握の方法について関心が高まっていきました。それについて追究しつづけた2年間であった、とも言えます。
☆2年2学期〜3学期
自立学習スタート。
漢字の学習は、すべて自立学習の中で行いました。
詳しくは以前以下の記事でも書きました。
この以前のブログ記事のその後を書くと、
自立学習のシステムに子どもたちが慣れ、習慣化しました。
漢字スキル(ドリル)の文字がとてもキレイになり、習得状況もアップ。
少し早めに終わる子が多いので、その後は家庭学習ノートに復習する子が多いです。
丁寧に文字を書くようになると、突然、目に見えて、漢字テストの成績も上がります。
3学期の漢字もすべて全員先週で終わったので、今週は宿題プリントで復習です。
毎学期、低学年は漢字のまとめ、25問テストがありますが、
2学期は平均9割でした。3学期はどうかな〜。学年でそろえて来週やることになっているので、楽しみです。
以上、文字の学習について書きました。
この、文字の学習が一番ステップが分かりやすいかなと思いました。
ちなみに、文字の学習の丸つけについては、すべて子どもたちがいる時間で完了することができるようになりました。
これが放課後残っちゃうと、大変ですよね・・・。
ワーママには、欠かせないスキルだと思います!
具体的に、やっているのは、自立学習の時間、子どもたちが取り組んでいる時間にほぼ終わらせています。ちゃんと取っているのは週1ですが、その他、ちょこちょこたくさん入れてます。
子どもたちが自立し、集中して行うベース学習のような時間。
漢字学習は、それにぴったりなんじゃないかと思います。
これがうまくできるようになると、その後の自由学習にも、子どもたちはいい感じで取り組めています。
まるで、こんな穏やかな凪の海のよう。