「一つの花」〜子どもたちからの学び多き日々!〜
「読みを深める」「深い学び」などと、よく耳にする言葉です。
そして、よく耳にする言葉だけれど、難しい、ともよく聞きます。
先日書いた記事、
の第1段階として、物語単元「一つの花」を、いま現在、進行中です!
学年担任団で校内研(11月「ごんぎつね」!だけど、授業研の本時だけでなく、年間を通じて研究していくというのが本校の方針)に向けて話し合っているのですが、
そこで出たことで、大きく取り上げられたのが、
「子どもたちが、主体的に学び、読みを深めるためには、
物語の情景・場面・登場人物の心情をイメージする力を育てなければならない」
ということ。
なるほど!と思いました。
なので、早速、そのために、「ごんぎつね」の1つ前の物語単元である「一つの花」では、各担任がそれぞれ工夫して進めてみよう、ということになりました。
私が今回、その手立てとして考えたのは、マインドマップの導入です。
さらに、いつもそうですが、完全に指導書無視で、単元目標と子どもたちの毎時間の学びの様子から、リフレクションをしながら、進め方を決めています。
今の所、これまで3.5時間ほどやって、後2〜3時間で終わる予定でいます。
読み深めるためには、各自で読み、考える時間を確保しつつ、各自の多様な考え、意見を全体で交流しながらやっていくことが必要だと考えました。
課題である、「イメージする」ことも、全体で共有することで、イメージを立体的にしていく作業を行います。
なので、ワークショップ型ではなく、今回の場合、ほとんど一斉授業です。
しかしやっていて感じるのは、リーディングワークショップのミニレッスンとして成り立つものばかりだということです。
「読み方を学ぶ」「情景や心情をイメージ化する」ことは、
常に私自身が意識し、大切にしている、
「学び方のスキルを教え、身につけさせる」
ことに直結します。
具体的に、どんな進め方をしてきたかというと、
(実施)1 「戦争のはげしかったころ」マインドマップをみんなで描いていく
(場面の情景をイメージする)
「食べ物」「飛行機(空襲)」「戦争に行く」の3つのメインブランチに沿って
↑ ここで、空襲のアニメを視聴。
(実施)2 「登場人物の気持ちが一番大きく動くのはどの場面かな?」
(登場人物の心情の変化を読む)
(未実施)3 2で選んだ場面の、登場人物の心情を深掘りして読む
で、ちょうど、今、2を終えたところです。
マインドマップは、初めての導入でしたが、素直な子どもたちは、私が板書するグループマインドマップを、真似して描くことで、すんなり理解していました。
マインドマップは、イメージをどんどん連鎖させ、つなげ、広げて行くことができます。今回のようなイメージを共有したい場面では、効果的でした。
教科書の叙述をもとにマインドマップをみんなで描く中で、
子どもたちの頭の中でも放射状にイメージが膨らんでいたようで、
「食べ物」のところで、いつも元気なある子が、
「自分たちと比べてどうだっていう話だよ!?」と熱くなり、
みんなで、今の自分たちと比べて考えてみる、
という場面が生まれたりしました。
空襲のアニメを視聴し、空襲について対話した後の
「戦争に行く」のところでは、
いつも授業では挙手したり主張したりを全くしない子が、
「ゆみこのお父さんが何も言わずに汽車に乗って行ったのは、口を開いたら、ゆみこと離れたくないという思いが出てしまいそうだったから、だよ」
と発言したり、また、同じく普段おとなしい子が、
「何も言わずに行ったのは、一輪のコスモスをゆみこにあげたら、笑顔になったから、その笑顔のままで、お別れしたかったから、何も言わずに行ったんだよ」
と発言したりと、
叙述をもとに、一歩深く読み取る子が現れ出しました。
すでに、場面の情景をイメージするところで、登場人物の心情を深く読み始めていました。
ここまでを受けて、3の、「2で選んだ場面の、登場人物の心情を深掘りして読む」を変えようかなと思いました。
それぞれの子たちが、すでに、登場人物の心情に迫る読み方をしているので、
もう、今後は、こちらが指示して順番に考えさせるのではなく、
話したい話題に沿って自由に話し合わせようかなと思いました。
まだ、考え中ですが、例えば、
「どうして「一つの花」という題名にしたのだろう?」
や、例えば、
「お父さんはどんな気持ちで汽車に乗ったのだろう?」
などです。
そんな、焦点を絞った問いをいくつか立て、
話したい話題を選ばせて、自由に話し合わせる。
とか。
実は、今回、いつもはおとなしく、授業中、自己主張をしない子が深い読みをしていることに気づけたのは、番号順指名をしていたからでした。
なので、全員発言を条件に話し合いを子どもたちにゆだねてみようかなと思っています。
ここまでの授業から、いつも「はい!はい!」と言わない子が、
みんなを唸らせる考えをもつことに、みんなも気がついているはず。
だからみんなも、そろそろ平等を意識しながら、話し合いができるのではないだろうか。挑戦してみるのも面白そう。ワクワクします。