遊びと学びと、その進化と。〜個別支援について考える〜②
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1 娘ちゃんがキティのパズルができるようになるまでの、彼女の実態と、支援の全ステップ 〜「遊び」=「学び」〜
2 実態と支援の分析!!
3 教室の個別支援にどう活かす!?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1 娘ちゃんがキティのパズルができるようになるまでの、彼女の実態と、支援の全ステップ 〜「遊び」=「学び」〜
娘ちゃんは、近所のイオンにキティのポップコーンマシーンを見つけてから、キティが大好きになりました。
「ハロ〜、キティ、焼きたての、ポップコーンはいかが?」
と軽快に歌います。もう、そこに行くと、ハンドルをぐるぐる回して、一緒に歌って、
ゴキゲンです。
そんなわけで、ダイソーでキティのパズルを見つけた時は、即買いしたのでした。
8月に買った際は、キティだから興味はもったものの、当時の彼女には難解過ぎたようで、早々にお蔵入り・・・
その後、保育園でもパズルを見かけてやるようになったみたいで、
お迎えに行くと、一人でパズルをしていることがありました。
でも、保育園のは、10ピース弱程度のもの。
それすら、難しそうにしていました。
保育士さんが、「パズルに興味があるんですよ〜、でもまだ難しいのよねえ〜。」
と言っていた覚えがあります。
そして10月終わり頃からでしょうか。
また、自分からパズルを引っ張り出して、挑戦し始めました。
今思えば、保育園の易しいパズルが、攻略できたのかもしれません。
それで、面白さを知った(かもしれない)彼女は、キティに再度戦いを挑んだのです。
以下、ステップでまとめてみました。
ステップ①
形や色・絵柄を合わせるということが分からないようだったため、まずは私が四隅のピースやそれに付随する端のピースを選び、「これは、ここだよ。」とおいて見せた。
ステップ②
「これは、ここだよ。」と声をかけ、指差しながら、娘ちゃんに手渡す。向きが少しでも違うと、置けないので、確実に向きを合わせて手渡した。一緒に手を添えて、置くところから始め、徐々におけるように。
ステップ③
向きを合わせた上で、「これは、ここだよ。」と声をかけ、一人で置かせた。すると、台紙の上に一度置き、スライドさせて移動するため、間口が空いていないと入れられない事態に。その時は、私が少し持ち上げてやり、一緒にはめ込んだ。失敗して他のピースが崩れると、全部ひっくり返してしまう。ああ、以前のクラスの子がこんなことよくやってたなあ・・・。
ステップ④
いつのまにか、持ち上げて自分ではめられるようになった。やはり、向きを合わせ、「これは、ここ」と手渡ししてやると、どんどん合わせられるように。
ステップ⑤
これまたいつのまにか、今度は、向きが違うものを、ピースを回して向きを変えることができるように。なので、今度は、向きを少しわざと違えて、「これは、ここ」と渡すように。すると、向きを試行錯誤しながら、合わせられたり、合わせられずに「できない。手伝って。」と言ったりしながら、繰り返し。
ステップ⑥
ここまで、実は、ピースを渡す順番をずーっと、ほぼ同じ順番にしていた。その順番を覚えたようで、自分でピースを探し、一人でやり始めた。
ステップ⑦
このころから、パズルを始めるときに、その形を保ったまま、パタンと裏返してピースを外すことにハマりだした。パパと一緒にやってうまくいかないと大泣きしてしまうほど。そのまま、一つ一つ「表、表、」と言いながら一緒にピースをひっくり返す作業をし、そのピースの並びを手がかりにし始めた。(表、という言葉を習得!)
ステップ⑧
このころ、そろそろ絵柄・色を手掛かりにすることを覚えてきたので、同じ絵柄や色のものを分類する技を教え、一度一緒にやって見せた。すると、「これは、キティ。これは、くまちゃん。」と絵柄を見て言うように。
ステップ⑨
表にひっくり返す際、一人で近い絵柄のものをなんとなくまとめて分類するように。
ステップ⑩
この頃には、もうはじめは四隅、次は端を埋める、その後、絵柄を合わせていく、というパターンを習得。
ステップ11
トライアンドエラーを繰り返し、「手伝って」なしで、一人で完成!!!
ステップ12(今現在ここ)
その完成までのスピードが、どんどん早くなり、ピース自体で遊び始めるなど、ちょっと飽きてきている?!
以上、全行程。
ステップ①から⑥まで(「このパズル無理なんじゃない?」と思っていた期間)が長く、2週間以上やっていた。
ステップ⑦から12(「驚き!攻略しそう!した!!」の期間)は、もう、1日ごとにステップアップ。
その成長の過程が目まぐるしく変化し、驚きっぱなし。
ここまで、細かく実態と支援のステップと背景を描いてみましたが、これは、
「できない」から「できる」までの重要な過程を表しています。
まだ言葉もおぼつかない彼女を、ここまで突き動かしたのはなんなのか?
次回は、この過程を分析してみようと思います。
サッカー観戦中