対話の時間に、なんとも言えない、5年生の子どもたちの温かさにひたる・・・♡
以前から遅々としながらも、対話の仕方を「Yes,and~」を皮切りに、練習してきています。運動会練習でなかなか時間が取れないながらも、一つ一つ積み重ねています。
11月の校内研では、私が授業をすることになっていて。
本校の校内研で重視している「聴いて考えてつなげる授業づくり」と対話学習は直結するので、クラスを見てもらうまたとないチャンスだと思ってます。
高学年の国語の「読む」の中に、
「自分の考えをまとめ、友達との対話を通し、自分の考えを広げたり深めたりする」
というものがあります。
光村の「大造じいさんとガン」(椋鳩十)を、対話学習で構成します。研究公開授業は、単元のラストで、子どもたちが最も話し合いたいと思う問いについて対話する計画です。
1ヶ月後の研究授業に向けて、学年担任団で毎週少しずつ学年会で対話を続けてきました。
対話のスキルについては、市の教育委員会が出している指針・段階表や、校内研の参考に作られた資料などに様々に触れられています。
それらを元に、こうしたらいいんじゃない?という対話を学年で行なっています。
そして、そこで話し合われたことを、いよいよクラスの対話学習場面で実践し始めました。今日の国語はその具体的行動の第一歩!
「明日をつくるわたしたち」という話し合い活動をする単元。
今日のお題は、以前子どもたちが出し合った問いの一つ、
「人任せにせず、自分から動けるようにするためには?」
です。
いつものように机をみんなの顔が見えるようにサークル型に動かし、「現状と課題」「意見と理由」を各自ノートにまとめます。
その後、学年担任団で吟味して作った、「考えを広げたり深めたりする」話し方・聴き方の例を示し、「こういう話し方・聴き方ができたら、考えを広げたり深めたりしている、ということで、話し合いは◎になるんだよ」という話をしました。
その上で、対話の進め方として、まず、「Yes,and~」は全体を通して基本とすること、
1 考えを伝え合うタイム → 2 考えを広げる・深めるタイム
にすることを話しました。
やはり、こういうことができたら◎だよ、という評価規準を示すことは、子どもたちにとって分かりやすく、良い指針になるよう。話している途中にも、「それって、こういうこと?」など、興味津々に聞いてくる。
こういう時、すごくいい反応・動きをする子がいて。それが、クラス全体に良い雰囲気をもたらす。まるでその子のポジティブ心理が伝染するかのよう!
じゃあ、早速やってみよう!ということで、1の考えを伝え合うタイムからスタート。ここは機械的にワクワクトーク(朝の会)の続きからの番号順で約10人としてみました。自分からは挙手したり立ち上がったりはできないけど、自分の順番と言われればしっかり自分の意見をほとんどの子が言えるようになってる!これはさすがの5年生。
そして、「Yes,and~」の考えをほとんどの子が理解し、前に発言した子の考えを肯定的に受け止めて、反応してから、それに関連させて自分の考えを話せるようになっている。すごい。スポンジみたいにぐんぐん学んだことを吸収、実行してる!
続いて、2の広げる・深めるタイム。
いつも積極的に発言し、新しいことにどんどんチャレンジできる第1陣の子たちが、早速「考えを広げる・深める」話し方・聴き方に挑戦し、さっと自由起立で立ち上がり、発言してる。
この子たちはいわゆる、「人任せにせず、自分から動ける子」たち。議題になっているのは、そうではない、人任せにして自分は動かない、その他大勢の子たち。
まさしくこの場を表す問いで、面白いではないか・・・と密かにほくそ笑む。
1の伝え合うタイムである子が発言した、
「〇〇さんの意見が聞きたいです、と言い、まだ発言していない人を指名する。それだけでは相手に寄り添っていることにはならないので、指名された人の周りにいる人たちが、その人をサポートする」
という意見に、多くの子たちが賛同してきていました。
そこにプラス、また別の子が2の広げる・深めるタイムで、
「□□さん(上で発言した子)の意見に加えて、周りの人の反応をもっと明るく、話した人を元気づけるようなものにしたら、もっとたくさんの人が話したい、と自分から動けるようになる」
と言った発言の方向に、クラスの意向が流れてきていました。
「じゃあ今、早速やってみようよ」と私がいうと、「△△さんの意見が聞きたいです」と始まった!
指名された子はなんと自分の意見をまとめることもできず、ノートは白紙!
周囲はそんな彼をなんとかサポートしようと動き出した!
どうなる、どうなる〜〜〜〜!?と見ていると・・・・
ある子が彼のそばに寄り添い、必死に彼の表情を見ながら色々話している。そばにしゃがみ、彼の目線よりも少し下から、彼がどういう風に考えているのかを一生懸命に引き出そうと、彼に寄り添う・・・・・
マジ感動。
彼は自分でうまく言えなさそうなので、一緒に横に立ち、「〇〇さんが考えているのは・・・」と代弁し始めた。当の本人は横に立って、なんとも嬉しそうな、こそばゆいような、いい顔をしてる。
私だけじゃなく、そんな彼らの様子に、クラスのみんなが
「温かいなあ〜・・・・♡」
とひたっている感じ・・・・
本当に、なんて温かいんだろう、と。じわ〜〜〜〜〜っときた。
そして、他の子たちの優しい、温かい笑顔。
なんて優しい子たちなんだろう・・・・みんなの求めているものは、こういう温かさなんだなあ・・・・と感じた時間でした。
時間切れとなったので、この対話の振り返りは帰りのジャーナルで。
人任せにしない、というワード・・・?が、子どもたちの生活の中で大切な概念として少しだけ定着したことを感じる内容でした。
人任せにしないって、自分がしっかりするだけじゃなくて、仲間と一緒にできるようにしていくものなのか・・・・と子どもたちから私自身が教わった気がする!
もしかしたら、多くの子が「自分は人任せにしないでできているけれど、他のできていない子たちをなんとかしてできるようにしていこう」みたいに思っているのかもしれないけれど(笑)
この対話の後、「人任せにしないで自分から動く」を意識しているであろうと思われるような行動をとる子が複数見られました。
おお!?とびっくり。
こういう子たちの行動をどんどん認めていくことが、私にできる大切な仕事なのかな、と思いました。
その子たちに、やっていることの意味・価値を感じてもらうために。
対話の中で感じられた温かさが、子どもたちの心を動かしたことは間違いないなあ〜と思います。
わたし自身も・・・・♡