教師は「伴走者」〜探究的な学び、スタートの2年はこんな感じ〜⑥
成績処理やその他事務仕事で更新が止まっちゃってました・・・(涙)!
最近流れてくる、フェイスブックの過去記事プレイバックによると、
昨年度の今頃は、
「主体性を引き出すには、学習での子どもたちの自由度を上げること!」
ということに興味を持っていた様子。
そして、次なる課題としては、
「その際の、学びの環境設定が大切!場づくり・学びのスキルの習得について追究したい」
と書いてありました。
そして今年度は、まさにその「環境設定」や「学びのスキル習得」に力を入れてきて、
今の興味は、周囲のリアルな現状から、
「学びの連続性」
です。つまり、1年限りではダメで、学年のつながり、小中連携を視野に入れて、段階的なステップアップが肝要!ということ。(さらにはもっと先の将来も)
普通に考えたら、主体性を研究し続けている学校は、6年生が最も主体的であるはず。
果たして、そうなっているか?
主体的に学ぶ子どもを育てたいのであれば、目の前の子どもたちに合わせ、後の姿をイメージしながら、段階的に学びをデザインしていく必要があります。
現任校は、今の時代稀な、2年間持ち上がりクラスの学校で、昨年度より、2年間同じクラスを担任することができました。
そして、その2年間という長期間のおかげで、段階的に学びを進め、成長が目に見えて実感できました。
年度末の振り返りの意味も込めて、ここでこの2年間について記録しているところです。
そんなわけで、今回はすでにもうこのシリーズ第6回目。探究学習について書きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1 1年間のプログラムデザイン
2 リフレクション
3 実践の実際
①登校時〜朝休み ②朝の会 ③国語(文字の習得)④国語・算数の教科書授業
⑤生活科でのスキル習得〜探求学習(⇦イマココ)
⑥体育・音楽・図工ワークショップ
⑦日常的生活 ⑧自立学習 ⑨作家の時間
4 まとめ!(成果と課題)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
⑤生活科でのスキル習得〜探究学習
「探究学習」って、なんだかステキな響き!!でも、どうやってやるの・・・
と、思っていました。
でもなんだかんだ言って、ステキな響きの実践も、目の前の一歩から、地道に積み重ねた上にできるものなんですよね。
入学したての1年生から、2年生の3学期のいま、どんな風に探究学習をするまでに至ったのか、
書いてみたいと思います。
つい先日、今年度最後の授業参観がありました。
そこで、生活科の集大成、成長単元の発表会を行いました。
参観者で教室はいっぱい、私は廊下から参観しました!
もう、子どもたちに完全に任せて大丈夫だったので、教室にも入れないことだし、
他のクラスの発表の様子も見に行ったりしてました。
子どもたちの発表は、劇あり、紙芝居あり、絵本あり、壁新聞あり、KP法あり、ペープサートあり、巻物あり、ランキング発表あり、実に様々でした。
そして全員が、自分の成長したことを1つ以上、実際にやって見せるという実演も行いました。それも様々で、書いた絵を見せたり、縄跳びを跳んだり、オルガンを弾いたり、鍵盤ハーモニカを弾いたり、カラテの型をやって見せたり、黒板に字を書いて見せたり、図工の作品を見せたり、折り紙作品を見せたり、ドッチボールのボールの投げ方を見せたり、ボールの蹴り方を見せたり、逆上がりの仕方を解説したり、九九を言って見せたり、書いて見せたり・・・・一人ひとり、色々でした。
同じコーナーで発表する者同士、友達の発表の際には紙を持ったり、ボードを支えたりと、互いに補助しながら行っていました。
保護者の方々の感想コーナーでは、
「成長を感じました。」「感動しました。」
と口々に言っていただき、涙を浮かべる方もいらっしゃいました。
この発表会の練習、特別にすっごく時間をかけ、テコ入れしたわけではありません。
1年生の時からの生活科の学びの積み重ねにより、むしろスムーズに活動は進み、発表練習も計2回、子どもたちのリクエストでもう1回取ってあげたくらいです。
あとは、各自が休み時間にやっていました。
1年生の1学期〜2学期は、身近な自然に触れたり、かかわり合って遊んだり、
植物の生長の観察をしたりして過ごしました。
2学期後半に、2年生から招待してもらったおもちゃランドを参考に、自分たちも秋のおもちゃを作り、今度は反対に2年生を招待する、という会を初めて持ちました。
招待してもらった会を真似ての発表会でした。
(ちなみに3学期は昔遊び体験&地域のお年寄りとの交流)
2年生の1学期に、カイコの飼育をしたことをきっかけに、その過程を表現する活動をプロジェクト学習で行いました。
様々な表現方法を紹介し、準備の仕方や発表の仕方などを丁寧に指導。
1〜2名の少人数プロジェクトで、表現活動のイロハを時間をかけて指導、ここのやりたい事を引き出しながらの地道な活動を行いました。
おかげで、実に個性豊かな表現活動が展開されました。
ちょうど、学習発表会で1年生が「はらぺこあおむし」の歌と合奏をやった直後だったので、「はらぺこカイコ」という替え歌の発表なんかもあり、ホント面白かったです。
完全なワークショップ型の学びで通し、個々のカンファランスを丁寧に行う事で、表現の質を保証しました。
この丁寧な学び、経験が、その先にもずう〜っと生きていきます。
2学期はまちたんけんで、その表現には、また新しい手法として、KP法(紙芝居プレゼンテーション)を教えました。
このブログでも紹介しましたが、アレンジすれば2年生の子にもわかりやすく、楽しい表現方法として実施することができました。
そして3学期。最後は「自分の成長を振り返り、感謝の気持ちを伝え、3年生への意欲を持つ」成長単元でした。
これまでずっと、複数人チームでのプロジェクト学習でしたが、
生活科の集大成のこの活動は個人プロジェクト、個人探究にしようと決めていました。
自分の成長を題材に扱うのですから、極めて個人的なものですから。
そして、ここでは新たな事を教えることはせず、これまでの子どもたちの経験から、
子どもたちに完全に委ね、表現活動を行いました。
子どもたちは自然に机を移動し、互いにわからないことは聴き合い、
アドバイスをし合い、学び合いながら着々と活動を進め、先日の発表会本番に至りました。
個々の進捗状況を把握し、ペースメイクや表現についての細かいアドバイスをするカンファランスは行いましたが、これまでに比べたら、とても楽でした。
ここまで来ると、教師の役割は、伴走者なのかなって思いました。
教えるというよりは、伴走する。
ペースメイクや、個々がより自分らしさを表現することができるように補佐をする。
環境の一部なのかなと。
親としても・・・
子の成長の、伴走者でありたいなって思いました。
たった一つのかけがえのない個性を伸ばしたい。